相続人がいない場合の財産処理に関しては、民法の951条から959条に定めがあります。相続人のあることが明らかでないときには、相続財産は一種の財団法人となり(951条)、利害関係人または検察官の請求によって相続財産管理人が選任され(952条)、この管理人が相続財産の精算を行います(957条)。それと同時に、官報に公示するなどの方法で相続人の捜索を行ない(958条)、結局相続人が現れなければ、残余財産は原則として国庫に帰属することになります(959条)。しかし、被相続人と同居していた内縁の配偶者のように、法定の相続権はなくても遺産を分与するのが適当な場合もあるため、昭和37年に特別縁故者への相続財産分与制度が作られました(958条の3)。この制度は、(1)相続人が不存在である(2)特別縁故者からの請求がある(3)家庭裁判所がその請求を相当と認めた、という3つの条件が揃って、初めて適用されます。


特別縁故者とは、被相続人と生計を同じくしていた者や被相続人の療養看護に務めた者などで、自然人のみならず老人ホームや市町村、お寺などの場合もあります。ちなみに、相続人がいないことにより財産管理人が選任される数は平成12年で7038件あり、ほぼ一貫して増加傾向にあります。特別縁故者への分与がなされたケースは537件で、平成2年の757件をピークとしてやや減少しています。